2025年7月26日(土) 活動報告

成年後見と障害福祉をめぐるリアルな話

こんにちは。
7月26日に開催された福祉講座の内容を、簡単にご報告させていただきます。
日曜日の開催にも関わらず、今回は66名もの方々にご参加いただきました。親同士のつながりでお誘いくださった方や、士業の知人を紹介してくださった方など、参加の輪がじわじわと広がってきているのを感じ、とても嬉しく思っています。


第1部

講師]
 原子忠之 先生
 (司法書士法人ひびきグループ 代表社員)
 小泉潤一郎 先生
 行政書士小泉潤一郎事務所 代表

小泉潤一郎先生からは、皆様にまだ馴染みのない家族信託について、後見制度との比較を交えながら、選択する際のポイントをわかりやすくご説明いただきました。

意思能力がなくなった時、その後では解決策は法定後見しかありません。

しかし事前に準備をしておく事で任意後見や家族信託が利用できます。

任意後見や信託ならば、より依頼者の希望を叶える事ができます。更に信託ならば、託した財産は目的外に使用できず、より確実に希望が叶えられますが、一方で法律行為はできないというデメリットもあります。

ただ現在のところ、入所手続きなどはご家族が契約出来ますので、その点はご心配ありません。とのお話でした。

また家族信託の家族の範囲に決まりはないことや、第三者に依頼すると後見と同程度の費用が掛かること、登記の必要性など、皆様が不安に感じている事柄についても丁寧に解説され、信託を選択肢の一つとして捉える機会をいただく事ができました。

小泉先生は、「家族信託は誰でも気軽に利用できる制度です。遺言の役割を果たすことも出来るので、託せるご兄弟が居る場合にはおすすめです」と呼び掛けられています。


第2部

講師]
 三輪昌尚
 お米の三輪 代表
 三輪 恵
 社会福祉法人たんぽぽハウス 勤務

三輪昌尚さんからは、夫婦で挑む農福連携についてお話しいただきました。

当初ご夫婦でお話頂く予定でしたが、特別養子縁組で赤ちゃんを預かることとなり本日はお一人でのご登壇となりました。

昌尚さんは農家の承継者、奥様は福祉の専門家。現在2人3脚で新たな事業に挑まれています。

初めはB型事業所を立ち上げる予定が農福連携を目指すことになった経緯について、そのきっかけを作ってくれた奥様との出会いから現在の取組まで、興味深くお話しくださいました。

週末に農業に携わり心身ともに元気になって帰る会社員の話や、陽の光を浴びる事で疲れてよく眠り、行動が落ち着く障害者の話など、自然のもたらす効果の高さが印象的でした。

昌尚さんは農福連携技術支援者の資格を取得し事業の拡大を図っていますが、やはりこれを進める上で、人手不足・栽培方法・販路など数々の問題に直面。そこで人手不足の解消策として外国人研修生の受け入れを開始した事などが紹介されました。

現在は

  1. 外国人研修生の受け入れ
  2. 農福連携
  3. 里親、里子

の3本柱で活動されています。

「利用者の成長・居心地の良い職場づくり」をモットーに、昌尚さんは農業者の側から、奥様は福祉の側から、家庭内で農福連携を両面から議論できるところが成功へ導く秘訣だと実感いたしました。


最後に

「福祉」と聞くと難しく感じてしまうかもしれませんが、今回の講座では、暮らしに直結する話がたくさんありました。

障害のある方が地域の中で、自分らしく安心して暮らしていくためには、家族・支援者・地域の人たちが少しずつ行動していくことが大切です。
そんな前向きなメッセージが、参加者の皆さんの心にしっかり届いた講座だったと思います。


福祉講座

次回のお知らせ

ご興味のある方は、どなたでもお気軽にご参加ください。
皆さまとまたお会いできるのを楽しみにしております!