2025年5月6日(土) 活動報告

成年後見と障害福祉をめぐるリアルな話

こんにちは。
5月6日に開催された福祉講座の内容を、簡単にご報告させていただきます。
連休最終日の開催にも関わらず、今回は65名もの方々にご参加いただきました。親同士のつながりでお誘いくださった方や、士業の知人を紹介してくださった方など、参加の輪がじわじわと広がってきているのを感じ、とても嬉しく思っています。


第1部

講師] 伊藤 先生

伊藤先生からは、ご自身が成年後見人として関わられた実例を通じて、制度が始まる前の様子から現在までの変化をお話しいただきました。たとえば、親御さんがまず後見人となり、その後、兄弟へバトンをつないでいく過程や、現在の医療・福祉体制の実情など、当事者ならではのリアルなお話に、参加者の多くが引き込まれていました。

また、社労士(社会保険労務士)がこの分野に関わるようになった背景や役割についても、詳しく解説がありました。障害のある方、認知症の高齢者、経済的に困難な状況にある方など、多様な支援事例を通して、「後見人」という存在の大切さを実感する時間となりました。

後見人の仕事は、単なる財産管理ではなく、本人の気持ちや希望に寄り添いながら、行政・病院・施設と連携して暮らしを支えること。また、「成年後見センター愛知」の立ち上げ経緯や運営体制についても紹介され、今後さらに社労士の認知が広がっていくよう努力しているというお話も印象的でした。

他の士業(司法書士・弁護士・社会福祉士)との連携の在り方も具体的に説明され、「とても分かりやすかった」との声も多く聞かれました。

さらに、「お金を残すだけではなく、上手に使ってくれる人に託すことが大事。そのためには今から信頼できる人を探し、子どものことをしっかり伝えていくことが必要」とのメッセージが心に残りました。


第2部

講師] 杉中

杉中さんからは、障害者の暮らしを支える環境について、グループホームの提供率が全国平均でわずか6%という現実が紹介されました。まだまだ安心して暮らせる場所が足りていない現状に対し、親の寄付だけに頼らず、制度や地域と連携しながらサポートしていく必要があることが語られました。

実際に、

  • 空き家をグループホームとして活用する例
  • 親が自宅を開放する事例

などが紹介され、地域と福祉がつながる新たな動きがあることに勇気づけられました。

また、物件選びや助成金、地域との連携、開設にあたっての許認可についても触れられ、実務面でも参考になる内容が多く含まれていました。

さらに印象的だったのが「自分の子どもが受けている福祉サービスの“根拠法”を知ることの大切さ」についての言葉。福祉はたくさんの法律(障害者総合支援法、児童福祉法、建築基準法、消防法など)で支えられており、安心・安全のための仕組みだということが改めて理解できました。

福祉の話題は、事件や問題があったときしか注目されにくいですが、実際は日々多くの人の生活を守るために厳しく運営されているという現場の実情も共有されました。


最後に

「福祉」と聞くと難しく感じてしまうかもしれませんが、今回の講座では、暮らしに直結する話がたくさんありました。

障害のある方が地域の中で、自分らしく安心して暮らしていくためには、家族・支援者・地域の人たちが少しずつ行動していくことが大切です。
そんな前向きなメッセージが、参加者の皆さんの心にしっかり届いた講座だったと思います。


福祉講座

次回のお知らせ

ご興味のある方は、どなたでもお気軽にご参加ください。
皆さまとまたお会いできるのを楽しみにしております!